2015/12/29

生活保護減額 配慮欠く冬季加算切り

http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/opinion/editorial/2-0037608.html

 暖房費などのため支給される生活保護の冬季加算が、今冬から大幅に減額され、受給者の生活を直撃している。
 とりわけ、集中暖房のため暖房費が定額になっている道内の一部公営住宅では、支払い不能に陥る家庭が続出し、行政不服審査法に基づく請求が大量に出された。
 厚生労働省は急きょ、札幌、苫小牧両市の道・市営13団地の生活保護878世帯に対し、不足額を支給するよう道などに通知した。
 暮らしを守る細やかな配慮があれば、こうしてあわてる事態にはならなかったはずだ。削減ありきの弊害と指摘せざるを得ない。
 生活保護世帯の生活実態と向き合わずに一律に物事を決めてしまうと、安全網からこぼれ落ちる人が出てしまう。厚労省など行政は、必要に応じて柔軟に特例や例外措置を講ずるべきだ。
 冬季加算は、居住する市町村や世帯人数によって額が異なる。
 道内では現在、10~4月に支給される。しかし、実際の支出が支給額より少ないとする試算をもとに、本年度から道内一律の額に変更され、全市町村で減額された。
 一冬の支給総額は4人家族の場合15万円余りになった。昨年度と比較すると、札幌や江別市では5万円、函館、旭川、釧路、苫小牧市などでは4万円程度少ない。
 今回の不足額支給通知は、札幌と苫小牧の公営住宅限定で、しかも今回限りという。それでは今後への不安が消えない。
 暖房費が定額制でない多くの家庭は、減らされた額でやり繰りするしかない。
 病弱者を想定して支給額を1・3倍に増やす例外措置もある。自治体には支援の手を差し伸べてもらいたい。
 生活保護の生活扶助費は、自公政権下で段階的に引き下げられ、過去3年で平均6・5%も減っている。そして本年度は住宅扶助とともに冬季加算が減額された。
 2012年の社会保障制度改革推進法成立以来、「改革」の名のもとに生活保護費は縮む一方だ。
 このままでは、憲法が保障する生存権を脅かしかねない。
 凍える冬を迎え、出費を抑えるため、暖房を止め、電気、ガス、水道などを使わないようにしている家庭も少なくないという。
 社会保障制度の目的は、だれもが社会から排除されることなく、人間らしく生きていけるようにすることにある。
 生活保護に向き合う行政は、この基本を再認識するべきだ。


転載元: ニュース、からみ隊

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