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●ガンのリスクを高める有害な化学物質




同志社大学工学部教授医学博士
西岡一先生
専門は、放射線や化学物質の発ガン性や遺伝毒性。
発ガン性のある物質が、ガンを発生させるメカニズムを研究している。
『食品添加物毒性テーブル』、『農薬毒性テーブル』などでも知られる。
活性酸素についてわかりやすくまとめた『食べ物からわかるガンの秘密』
(三一書房刊・P125で紹介)ほか、著書も多数。

活性酸素が細胞を傷つける

81年以来、わが国の死亡原因のトップとなっているガン。しかもその数は毎年増え続け、93年には年間22万人もの人がガンで亡くなりました。なかでも小児ガンは、この20年間でおよそ2倍にも増えてしまったのです。なぜ、このようなことになったのでしょうか。

発ガンと深く係わっているのが活性酸素です。人間が生きていくためには酸素を体内に取り込むことが必要不可欠です。ところが、取り込んだ酸素の2%くらいは細胞内で活性酸素に変わり、細胞膜や遺伝子を傷つけてしまうのです。

人間の体はとてもうまくできていて、細胞は酵素によって発生した活性酸素を消去して無害なものに変えるシステムを持っています。ただ、時として消去システムがうまく働かないことがあり、そんなときには活性酸素が大量にできて、さまざまな病気を引き起こすことが分かってきました。

また発ガン性のある化学物質の中には、細胞内で代謝されるときに活性酸素を発生させ、その結果発ガン性がでることもつきとめられたのです。

現代のように大量に体内に化学物質が取り込まれる生活環境では、活性酸素が生成されやすくなり、細胞内の消去システムが追いつかずに、有害な活性酸素が働いてしまうのではないかと考えられます。

食品添加物が活性酸素を生み出す
戦国時代で長生きした有名人をリストアップしてその死因を調べてみると、ガンで死亡した人はひとりもいません。江戸時代の記録を調べてみても、ガンがとても珍しい病気だったということがわかります。それでは何が変化して、今のようにガンが増えてしまったのか。

今の私たちの暮らしと昔の暮らしを比べて、変化したのは何でしょうか。空気や水 も確かに違ってきていますが、最も変化したのは食生活です。

この30~40年の間に加工食品がすごい勢いで増えました。総理府統計局が発表した「家計調査報告」によると、93年の家庭における加工食品比率は60%以上にのぼっています。

加工食品は確かに便利なものですし、女性の社会進出を容易にしたという側面もあります。しかしこれほどガンが増えた原因を探ると、昔は食べていなかったのに最近になって体に取り入れるようになったもの、つまり加工食品に含まれる食品添加物を疑わざるを得ません。しかも食品添加物の中には、発ガン性が疑われるものが、かなりあるのです。

活性酸素の基礎知識
活性酸素というと、体に良さそうなイメージですが、実は有害な物質です。私たちが体に取り込んだ酸素の2%は、生体や細胞の中で活性酸素に変化します。活性酸素にはスーパーオキシド、過酸化水素、OHラジカルといった種類がありますが、前者2つはスーパーオキシドディムスターゼやカタラーゼ、オキシターゼといった酵素の働きによって、体にまったく害のない水に変えられてしまいます。体はとてもうまくできていて、活性酸素が発生すると、自動的にそれを消去する酵素が出るシステムになっているのです。
ところが消去システムがうまく働かずOHラジカルができてしまうと、やっかいなことになります。体にはOHラジカルを消去する酵素がないのです。OHラジカル自体の寿命はとても短いのですが、次々に発生するため、それが細胞膜や遺伝子を傷つけ、ガンをはじめ体にさまざまな障害を起こすきっかけを作ってしまうのです。
挿絵

現代の病気に深く係わる食品添加物

グラフ
ガンをはじめとして小児成人病、骨粗鬆症、アルツハイマー症、アレルギーなど現代病といわれる病気には、食品添加物が係わっていると考えられます。

例えば食品添加物348種類のうち20種類はリン酸化合物です。リン酸はカルシウムを排出する働きがあるため、いくら牛乳などを飲んでカルシウムを取ったとしても、カルシウムが欠乏してしまうのです。また高血圧予防のために料理の塩分を控えたとしても、食品添加物にはナトリウム塩が多いため、加工食品をたくさん食べている限り効果的な減塩とはならないのです。

現在食品添加物の年間生産量は約50万t。日本人1人当たり年間4kg、一日に11gもの食品添加物を体内に取り込んでいることになります。私たちの体は異物が入ってくると、免疫グロブリンE (IgE)という物質をつくって自分の体を守ります。

ところが繰り返し異物が入ってくると、それがアレルギー体質に変化してしまうのです。食品添加物にはこの免疫グロブリンEを作るものがかなりあるので、摂取量が増えるにつれて、ガンにかかりやすい体質になったり、アレルギー体質になったりする人が増えてしまったのではないかと考えられます。

ガンには15年以上の潜伏期間がある
魚肉ハム・ソーセージや豆腐の殺菌剤として使われたAF2は、発ガン性があることが分かり、十数年前に使用が禁止されました。AF2のことを、今でも覚えている人はあまり多くないと思います。使用が禁止されたことで、なんとなく解決したような気持ちになりますが、実はまだ問題は解決していません。

というのもガンには、15年以上の潜伏期間があるからです。現在のガン患者の増加には、AF2が深くかかわっているのではないかと思われます。ところが残念なことに、ガンの原因物質を15年以上も前に遡って特定することはできません。体内に入ったとたんすぐに異常が起こる急性毒性のある物質は、因果関係がわかりやすいので責任者を処罰することができます。

ところが少しずつ長期間にわたって食べることで体に悪影響がでる慢性毒性のある物質は、病気と原因の因果関係がはっきりつきとめられないので、責任者を処罰することは不可能です。
結局私たちは、少しでも発ガンの可能性がある物質を避けることで、自己防衛するしか方法がないのが現実なのです。



転載元: 医学部ゆかりの医療ブログ

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[ 2014/04/12 08:30 ] 家庭  | TB(0) | CM(0)

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